#284. 小鍋立て

2000-01-17

「#283. 冷たい夜」 を読んだ方にちゃんと食べてないんじゃない?と心配されてしまいました。そういえば思い当たるフシが(^^; 最近、簡単なものばっかり食べていて食の楽しみから遠ざかっているからなぁ…。

てなわけで、今日は晩御飯をちゃんと作ることにしました。商店街でイロイロ物色した末、献立は小鍋立てに決定。彼の時代小説作家、池波正太郎先生が、その小説やエッセイで登場させてらっしゃる一品です。小鍋は一人用の土鍋のこと。じゃあ、ナベじゃんとおっしゃるあなた、チッチッチ (人差し指を立て左右に振る←宍戸錠風に) そいつは、違う。

材料は下拵えした生食用の牡蠣。それに、千六本にした大根

小鍋に出汁をたっぷりはり、まずは牡蠣を。これはあまり煮すぎないこと。出汁の中をくぐらせて、軽く火を通す程度。半生ぐらいで牡蠣のシャブシャブというようなカンジで。これをポン酢ともみじおろしでいただきます。口中に含んで奥歯で噛み締めると、半生の牡蠣がぷりぷりとした食感、そしてじゅわーっと牡蠣の味が口中いっぱいに広がり…幸せ。

いくつか牡蠣を楽しんだ後は、千六本にした大根を放り込みます。これもあんまり煮過ぎないように。適度に火が通ったところで、牡蠣のとは別の皿に、手早く引き上げます。醤油を少し垂らし、胡麻油を一滴二滴。しゃきしゃきとした歯ごたえと大根の滋味は…幸せ。

ぷりぷりの牡蠣としゃきしゃきの大根を交互にいただき、その合間合間に熱燗をくいくい…ああ本当に幸せな。

で、最後の〆 は雑炊。ご飯を出汁に入れ、バラけたところで卵を多目にとき入れ、箸でうまくさばきます。きれいに黄金色になったところで、アサツキと醤油を少々垂らし、牡蠣のうま味たっぷりの雑炊のできあがり。

池波正太郎先生のご説明にもあるのですが、小鍋立ては何を使っても良いけれど、あまりごちゃごちゃ入れちゃいけません。ポイントは、材料の滋味を楽しむこと。シンプルな分、材料の良し悪しが料理の味を左右します。

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