#1000. [読書メモ] 2012年09月に読んだ本 - 南條 竹則、夢枕 獏、伊藤 計劃、円城 塔、浜田 よしかづ、榊 一郎、渡辺 まさき、大黒 尚人。

2012-10-02

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中華文人食物語 南條 竹則

良書。共感。中国料好きの方々に是非ともお薦めしたい。

中国における文人 (学問を修め文章をよくする人物) と食についてエッセイ。 南條先生の食の経験をもとに多様な文章を引用しつつ歴史・文化が紐解かれる。

作中、ブリア=サバランの美味礼讃に言及されたのは驚いた。 さらに袁枚の随園食単について言及され、一章を割いてるのは嬉しい驚き。

2012-09-27

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宿神 第二巻 夢枕

佐藤義清 (=西行) の苦しい恋。出家して西行なるも捨てきる事ができない。その恋の終わりはあまりも哀しく虚しい。仏道は西行を救うのか?

2012-09-27

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宿神 第一巻 夢枕

これは壮大な物語の予感。 平安末期、権謀術策渦・愛憎渦巻く貴族社会。 西行、平清盛の主人公に据えた伝奇小説の開幕。 聖 (仏・歌) の西行、俗 (権力・財力) の清盛という配置だろうか。

2012-09-24

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チューダー王朝弁護士シャードレイク CJサンソム

16世紀イングランドが舞台のミステリー。英国史に疎いが面白く読んだ。

時代背景がわからなくて、チューダー王朝とヘンリー8世について調べると…かなり無茶苦茶で面白い。 ヘンリー8世の英邁な君主としての側面と、苛烈な暴君としての側面。 混乱する国政と宗教。 6名の后を娶るが、女癖が悪いのか、女運が悪いのか、妃たちは離婚・姦通罪で死刑・死亡・離婚 ・反逆罪で死刑というコンボ。

本書はシリーズ物とのことで、今後の展開が楽しみだ。

2012-09-22

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屍者の帝国 伊藤 計劃 円城

はどこにあるのか。

凄すぎて完読が惜しく、ようやく読了。 歴史改変SFではあるが、小説家や小説の作中人物まで登場するスタイルの歴史改変で、ありえたはずの歴史とはちょっと違う。 我々の意識とは何かということをテーマに、歴史上実在・架空の人物が物語を回す。

意識という概念は極めて曖昧で、宗教的内省の対象であり、科学的検証対象でもあった。 システムとして見たとき伊藤先生と円城先生の、肉体と意識の解釈が見えてくる。 簡単には、ハードウェアとしての肉体。ソフトウェアとしての意識だけれど。 人の肉体 (ハードウェア) を操作する意識 (ソフトウェア) の上位主体には、別のハードウェアがあるという設定。 とするなら、ハードウェア→ソフトウェア→ハードウェア→ソフトウェア (仮) といった、相互の階層構造があるのでは…とか思ってしまう。

屍者をロボット化し、人が道具として扱うという設定は、その外挿的な延長にも思える。 物語は外挿的な事実に基づき内挿を深めてゆくが、それは端緒でしか無いような気がする。

2012-09-21

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つぐもも (9) 浜田 よしかづ

とにかく戦闘シーンが華麗で凄い。 成長する登場人物。 寸止めだけどエッチシーン満載 (笑) 超絶的に絵が美麗で、一読後、再度、コマごとに追っかけなおした。

2012-09-17

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棺姫のチャイカ V 一郎

禁断皇帝ガズの遺体が戦乱の亡霊を揺り動かす。 禁断皇帝ガズは死してなお世界を操るのか? それとも人の歪んだ性 (さが) と妄執が再び世界に騒乱を呼ぶのか。

2012-09-17

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アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 (4) 一郎

安定した面白さ。 煽りにコスプレ大会ってあるけど自主制作映画の話。 オチは自主制作映画に関わった人ならわかるわかるというところ(笑)

2012-09-15

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ゆうなぎ 渡辺 まさき

十八番街の迷い猫-夕なぎの街を再読し、 すぐさま Amazon でオーダー。しまった。なんで読まなかったんだろ。

良作。ほんわか温かな雰囲気の和風テイストファンタジー。

登場人物の成長が伺えて嬉しい。 また、素晴らしい料理の描写が健在なのも。もっと続きが読みたい。

2012-09-14

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タタリ・ブレイカー弑子 一郎

榊先生の手堅い一作。

呪いをテーマに Whodunit, Howdunit, Whydunit という推理的要素を導入。 更にヒロイン・弑子の関西弁にキュンキュン (笑) 関西弁、というか、方言を話す女性は女の子はポイント高いよね。

2012-09-12

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十八番街の迷い猫-夕なぎの街 渡辺 まさき

本の整理中に発掘して、そのまま再読。

渡辺先生の後書きにお茶碗とお箸でご飯を食べるというファンタジー とあるのが、名言だと思う。 脇役の料理や調理が良い感じに食欲を刺激する。 事件もあるけど、全体にほっこりする作品。

全体的に年齢が高め。酸いも辛いもわきまえた登場人物。

2012-09-11

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フルメタル・パニック! アナザー (4) 大黒 尚人

フルメタル・パニック! アナザー最新刊。 一冊2本立てで、前半シリアス、後半ユーモアという構成。 中途半端で微妙。 意図はわかるが、この構成は難しいではないかと。 前シリーズでのように、短篇集がユーモアで、長編がシリアスという方法が良いと思うんだが。

しかし、この作品における、民間軍事会社の D.O.M.S. の意義ってなんだろう? 正義の味方というわけでもなし…

2012-09-11

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円城 塔
棺姫のチャイカ

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