2000-01-27
虚無の歌午後の三時。広漠とした広間の中で、私はひとり麦酒を飲んでた。だれも外に客がなく、物の動く影さへもない。煖炉は明るく燃え、扉の厚い硝子を通して、晩秋の光が侘しく射してた。白いコンクリートの床、所在のない食卓、脚の細い椅子の数数。
ヱビス橋の側に近く、此所の侘しいビヤホールに来て、私は何を待つてるのだらう? 恋人でもなく、熱情でもなく、希望でもなく、好運でもない。私はかつて年が若く、一切のものを欲情した。そして今既に老いて疲れ、一切のものを喪失した。私は孤独の椅子を探して、都会の街街を放浪して来た。そして最後に、自分の求めてるものを知つた。一杯の冷たい麦酒と、雲を見てゐる自由の時間! 昔の日から今日の日まで、私の求めたものはそれだけだつた。-- 萩原朔太郎
居場所を求めて浅草の吾妻橋の袂まで。午後三時のビアホールには、僕と地元のご隠居らしい人とマネージャーとウェイトレスだけ。東京の地ビールを飲みながら、ぼんやりとする。明るい陽光に、ビールの醸造器のあかがねの表面が光っている。
少し離れた席でのご隠居とマネージャーとの会話を聞くともなしに聞いている。「ああ久しぶりに飲んだな…」「もうゆっくりすればいいじゃないですか…」「いやこんど孫が…」
暖房は十分に利いている。このまま眠り込んでしまいたいような気分で、僕は、もう一杯ビールを頼んだものかどうか、迷っている。
#668. あじさゐ夜:
2005-06-22 萩原朔太郎,こころこころをば なににたとへん こころは あじさゐの花 ももいろに咲く日はあれど うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて 梅雨のじっとりと湿った夜。ひどく疲れた気分で薄暗い道を歩く。薄膜のようなものが自分の感覚の上を覆っている...
#702. 春の気分:
2006-04-18 芥川 龍之介,春の夜は或春の夜、僕は路ばたに立ち止つた馬車の側を通りかかつた。馬はほつそりした白馬(しろうま)だつた。僕はそこを通りながら、ちよつとこの馬の頸すぢに手を触れて見たい誘惑を感じた。春の夜を抜けて帰宅。ブラインドを上げて窓を開け...
#472. ヘミングウェイ海流のなかの島々風ジン・トニック改:
2001-08-06 アーネスト・ヘミングウェイ著、沼澤洽治(ぬまさわこうじ)訳,海流のなかの島々トマス・ハドソンはバーに入った。中は涼しくて、珊瑚土のまぶしい照り返しに慣れた目には、真っ暗に見える。ジン・トニックにライムの薄切りを一枚、それにアンゴスツラ・ビタ...
#300. 蕪と雪:
2000-02-08 池波正太郎,梅安冬時雨半右衛門が仕度したのは、蕪の味噌汁であった。乱切りにした蕪を煮くずれるまで煮た、熱い味噌汁で、これを炊きたての飯をかけて食べる。九州のほうでは、これを船頭飯というのだそうだ。こりゃあ、旨い 梅安は、二杯もお代わりをした...
#257. 祈る:
1999-11-30 ローレンス・ブロック著,田口俊樹訳,死者の長い列でも、わたしにはお祈りのしかたというのがよくわからないのよ。あなたはお祈りをすることがある?そうしょっちゅうじゃないが、たまにはするなにを祈るの?力を与えて欲しい --- だいたいそういう祈り...
#241. マティーニ@ホーム:
1999-10-28 ロバート・B・パーカー著、菊池光訳,歩く影ヒーリイがマーティニを持ち上げてちょっと眺め、一口飲んだ。飲み下してゆっくりと首を振った。マーティニは絶対に期待を裏切らないよ彼が言った。私はうなずいた。私の方はアイリッシュ・ウィスキイを何オンスか...
more 小説: 8 ...
#383. 夏バテに利く:
2000-08-26 夏バテで体調不良。精をつけいけないとだろうと、少し思案。鰻(うなぎ)もいいけど…うん、やっぱり季節からして泥鰌(どじょう)かなあ。てなわけで、横浜から墨田川の花火大会当日の浅草へ遠征。浅草寺へ参詣した後、駒形どぜう で、まる(泥鰌鍋=泥鰌が...
#8. どーしておなかがすくのっかな:
1998-09-14 どーしっておなかがすくのかなって唄いながら横浜から浅草までお出かけ(←遠征なんですよ)。どうしてもどじょうが食べたいんだモン。ってわけで浅草の某どぜう屋で遅い(3:00p.m.)昼ご飯。どぜう鍋・柳川鍋・その他もろもろ。ビールがうまいぜぇ。
#1692. がんこおやじのバーレィ・ワイン + ウェスト・コースト・ウィート・ワイン @車道タップルーム.馬車道.横浜:
2018-03-09 馬車道タップルームは地ビールのブルワリーベアードブルーイングの直営店。昔は新聞販売店だったはずだが、そこを上手にリフォームした店舗になっている。程良く古びた感じで、天井がやや高いのが心地良い。口開けの酒にがんこおやじのバーレィ・ワイン(Ga...
#1618. 缶ビール発掘:
2016-11-06 缶ビールを発掘。すっかり忘れてた。Amazon の箱の中によなよなエールとインドの青鬼。
#1561. アメリカンな料理がお勧め - ビール+BBQ リブプレート+ベイクド・マック・アンド・チーズ@車道タップルーム.馬車道.横浜:
2015-09-20 馬車道タップルームで昼飲み。こちらは、沼津にある地ビール・ブルワリーベアードブルーイング(ベアードビール)の直営店。土日祝日は昼12時から開店しているので、昼飲みに便利に使える。口開けの一杯目は限定醸造だと言うブリューワーの悪夢 ライ IP...
#1548. 地ビール+ホタテの燻製マリネ・サラダ@サクラ・タップス.野毛.横浜:
2015-08-13 横浜・花咲町のサクラ・タップスで、軽くビールを。サクラ・タップスは地ビールとコーヒーのお店。大岡川の桜川橋の近くで、住所は花咲町だけど、おおまかなくくりで野毛と呼んでも良いと思う。店内はスタンディング・カウンターとテーブル席という構成。スタ...
#1534. 地ビール@サクラ・タップス.野毛.横浜 - 随所にビールに対するこだわり:
2015-07-10 横浜・花咲町のサクラ・タップスで、軽くビールを。サクラ・タップスは地ビールとコーヒーのお店。住所は花咲町だけど、おおまかなくくりで野毛と呼んでも良いと思う。こちらは2015年4月に開店した店で、宿題にしていた。店の前を何度か通りすぎているん...
more ビール: 27 ...
#1703. 春を感じるご馳走 - 春竹の子と干し椎茸の醤油煮込み + 桜海老と春野菜の土鍋ご飯 山椒風味 @一楽.横浜中華街:
2018-03-26 横浜中華街・中華街大通りの一楽にて晩飯。一品目は、春メニューから春竹の子と干し椎茸の醤油煮込み。これは・・・素食(スゥシー,精進料理)の紅焼烩双冬かな? 紅焼(ホンシャオ)ともちょっと違うような、甘い香りのする焼付け具合が肉厚の干し椎茸とよ...
#1702. 福建料理 (閩菜) の定番麺料理 - 燜麺 (海鮮煮込みそば) @華錦飯店.横浜中華街:
2018-03-25 横浜中華街・市場通りの華錦飯店(かきんはんてん)にて晩飯。こちらは隣の魚屋が経営母体の中華料理店。このため海鮮料理に強いと言われている。また、経営者の出身地が福建とのことで、一般的な中華料理を中心に、福建料理(閩菜)を少し加えたメニュー構成...
#1701. 横浜中華街で中国茶 - 龍井茶 @隆記.横浜中華街:
2018-03-25 オフィスでは、だいたい中国茶を飲んでいる。自分用の中国茶マグ・カップで、茶葉の種類を変えつつ何杯も飲んでいるが、これがコーヒーよりも精神バランスに良い感じで、リラックスして、かつ、集中できる感じ。正念場・修羅場・短時間でいいから集中がほしい...
#1700. アットホームな広東料理店 - 春巻 + 咸蛋蒸肉餅 (塩タマゴと豚肉の蒸し) @龍鳳酒家.横浜中華街:
2018-03-24 横浜中華街・中山路の龍鳳酒家(りゅうほうしゅか)にて晩飯。こちらは家庭的なお店で、広東料理(粤菜)の家庭料理(家郷菜)が得意。一品目はビールの酒肴として春巻をオーダー。中身がしっかりと詰まった春巻は、カリッとかじると熱々の中身が口の中に弾け...
#1699. 横浜・元町で米国式スタンダードな朝食を - ブレックファスト・プレート + 玉子1個追加 @バイ・ミー・スタンド.代官坂.元町.横浜:
2018-03-24 横浜・元町・代官坂のバイ・ミー・スタンド(BUY ME STAND)元町店 にて朝食。ここはユニークかつ美味しいサンドイッチを出す店。朝8時から開店していて、ゴージャスな朝食が食べられるので、朝から開店している飲食店が少ない元町近辺では貴重...