#668. あじさゐ夜

2005-06-22

こころをば なににたとへん
こころは あじさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて

-- 萩原朔太郎, こころ

梅雨のじっとりと湿った夜。ひどく疲れた気分で薄暗い道を歩く。薄膜のようなものが自分の感覚の上を覆っている。酒を呑みたい気分でもなく、誰かと話をしたいという気分でもない。ただ、何も考えず、静かにどこかに沈んでゆきたい。

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萩原朔太郎

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