#423. 雪の夜、部屋に独り居て

2001-01-20

雪が降るとこのわたくしには、人生が、
かなしくもうつくしいものに----
憂愁にみちたものに、思へるのであつた。

-- 中原中也, 雪の賦

今年はいつもの年より雪が降るのだろうか…そんな、ことを考えながら、窓の外、夜の向こうの雪を見ている。冷え切った部屋、コートも脱がずに。

ああ、寂しいね。哀しいね。僕は冷蔵庫からウィスキーとチョコレートを取り出して、呑んでしまう。氷を入れないグラスに雪を受けて。チョコレートをぽりぽり。冷え切った部屋、コートも脱がずに。

冷え切った部屋、コートも脱がずに、泣いている…誰にも知られず。世界の片隅で。

関連記事

中原中也
  • more 詩人: 13 ...

  • more 雪: 16 ...

新着記事