#537. ビールの涼味と風情

2002-06-24

お店で飲むキンキンに冷えた生は、とにかくうまい!とは、列車の中で見つけた発泡酒の広告のコピー。そういうもんでもないと思う。

ビールの適温は、なら 4 度から 6 度、冬なら 8 度から10 度だと言われている。冷蔵庫の庫内が 4 度ぐらいだから、実は、普通に冷蔵庫でビールを冷やしておけば十分適温になる。

それでも、お店でキンキンに冷えたビールを出してくるのは、ある種の錯覚を利用していると言えるだろう。夏場の強烈に利いた冷房のような。蒸し暑い外から冷房の強烈に利いた室内入った瞬間は、とても気持ちいい。でも、しばらくそこに居ると、寒さに震えだしてしまう。キンキンに冷えたビールも、そんなカンジだ。

だから、キンキンに冷えたビールはあまり好きではない。

じゃあ、お店で出されるどんなビールが好きかというと…氷水で冷やしたビン・ビール。(がらりんと)氷水から取り出し、(しゅっぽんと)栓を抜き、濡れたビンの周りを布巾できれいに拭いて、それからカウンター越しに(とくとくとくーっと)注いでもらうのが好きなんだ。

冷やして霜が降ったようになったジョッキに注がれるキンキンに冷えたビールなんかより、ずーっと、涼味や風情があると言うもんだ。

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