#445. 異界への門

2001-04-26

わが宿の藤の色濃き黄昏 (たそがれ) にたづねやはこぬ春の名残を

-- 紫式部, 『源氏物語』三十三巻 藤のうら葉

櫻は夜、月光の下。躑躅(つつじ)は昼下がり、陽光の下。でも、藤の花はどちらでもないような気がする。そう、逢魔刻(おおまがとき)…でも、この時間、豊かな藤色に色づく藤棚の下を通ると、そのまま何処か別のところへ導かれそうな気がするのだ。よい匂いに誘われて。

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