#399. 水辺(みずべ)

2000-10-19

明け方 獣たちの唄う声

霧が渡る湖水を眺め
水面 (みなも) に優しく指を触れる
夢だと思いながらも
それでも 僕は
君を抱きしめた

明け方 獣たちの唄う声

暗い水辺 (みずべ) で
僕らは幾度も愛を交わしながら
コトバを交わすことはなかった
夢だと思いながらも
それでも 君に
愛していると言って欲しかった

遠くには 獣たちの唄う声

無くしてしまったものを
諦めてしまったものを
それでも恋しいと唄う声

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