#596. フェイク・ラブ

2003-05-10


永遠なんてものは無いのだと
口にはしない
けれど
わかっているのだ
そういうものだと
永遠なんてものは無いのだと
人差し指と中指の二本で
君の頬を撫ぜる
そう
永遠なんてものは無いのだ

指先に口付けて
うわずった君の声を聞く
舌を絡ませ
肌を汗の向こう側へすりこむ
永遠なんてものは無いのだ
そんなものは無いのだと
暗く胸のうちで呟きながら

愛からも遠く恋からも遠い
でも
ほの暗い闇の中で
握り合った手を離すことができない
なぜだろう
なぜだろうと幾度も自問する
軽く触れ合った頬を
そっとこすりあわせる

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