#747. 全ての本に我が愛を

2008-07-10

或る日、本屋で。露出の多い服装のケバい女が、手に持っている買い物のポリ袋を、平積みの本の上に放り出す。で、隣の友達とぎゃはぎゃはと大笑い。

或る日、本屋で。ネルシャツ、ジーンズ、デイパックのニーチャンが、持ち込んだテイクアウトのアイスコーヒーを飲みながら漫画雑誌を立ち読み。だくだくと滴が平積みの雑誌に滴る。

或る日、本屋で。幼稚園ぐらいの子供が、よごれた指で絵本をバシバシ叩いている。母親は隣でみているだけで注意もしない。

どんな本も、愛している。僕が読まない本だってあるけれど、僕が嫌いな本だってあるけれど、それでも本屋は僕の心のある場所。豊かで神聖で喜びのある場所。だから、それがわからないヤツラにあうと耐えられない。嫌いだ。帰れ。来るな。

僕が読まない本だってあるけれど、僕が嫌いな本だってあるけれど、それでも僕は全ての本に僕は敬意をはらう。僕の、僕らの知らない知識と経験と感覚と喜びが、そこにある。

だから、それは商品ではなく、本なんだ。なんでそんなことがわからないんだろう。

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