#664. ささやかな呪い

2005-05-11

電車から混雑するプラットフォームへ降りて歩いていると、若いOL風の女性がものすごい勢いで駈けてきて、僕にブチ当たる。一瞬息が詰まった。謝罪の一言もないまま、彼女は電車に飛び乗る。

悪罵の代わりに彼女がタンスの角に足の小指をぶつけますようにと、どこかの神様へ祈る。それから、ちょっと考えてしばらく痛みが引かないと、とっても嬉しいですとつけ加える。

ぶつかった痛みは引かないけれど、少しだけ気分が良くなる。

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