#553. ささやかな愛情

2002-09-15

店員でもないのに、本屋の平積みの本が綺麗に積まれていないと、何となく気になって直してしまう。四隅がそろって積まれているように。詰まれた本が歪んでいないように。

ちょっと恥ずかしいから、人目を引くようにはやらない。乱れた平積みに、すすっと近寄り、指先や手の甲で素早く整える。あるいは、一番上の本を手にとり、ちょっと目を通した後、それを戻す際に平積み全体をすばやく整えるとか。

だから、時々、心無い客に腹を立ててしまう。手にした本を平積みの位置にきちんと戻さない客とか。平積みの本の上に無遠慮にバッグや荷物を置いている客とか。

新着記事