#602. 水底(みなそこ)

2003-07-21

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水底で
怪我をした獣のように
丸くなり
時を過ごす

上からは
きらきらと光が差し込んでくるけれど
僕は 水底を眺め
水が身体を流れてゆくのを
感じるだけ

動き出すと
間違ったことをしてしまう
そんな気持ちが
僕を 縛る
動き出すと
人を傷つけてしまう
そんな気持ちが
僕を 縛る

上からは
きらきらと光が差し込んでくるけれど
水底に
怪我をした獣のように
丸くなり
時を過ごす

独り深く暗い水底で
丸くなり
胸の奥のものを
ぎゅぅうっと抱きしめながら

ゆっくりと
水は身体を流れてゆく

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