#631. 初鰹・戻鰹

2004-05-22

鎌倉を生きて出でけむ初鰹

-- 松尾芭蕉

少し雨が強くなった。明日は台風が直撃するというニュースを聞きながら、独り酒を酌む。不思議な気分だ。酒は熱燗だし、肴は鰹のたたき。5月だというのに、季節が裏返って、鰹がまるで戻鰹(もどりがつお)のような気になってしまう。そう言うと、大将が笑いながらそんな味じゃあないでしょうと答える。そうだな、と答えながら、鰹を食べる。確かにそうだ。まだ、初鰹だ。

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