#132. ある人殺しの物語

1999-06-08

舞台は 18 世紀のパリ。主人公はあらゆるものの匂いを嗅ぎわけることができる異能の持主。彼は、花だけでなく、体臭、皮革、金属、ゴム、エトセトラ、全ての匂いを嗅ぎわけ、超絶的な香水を作り出す。けれど、彼の最終的に目標としたのは自分の匂いを作り出すことだった。そう、彼には全く体臭がなかった。そして、彼はとうとう殺人へと走り出す。

…というようなフランスの 小説 を昔読んだ (実は、大好きな一冊なんだけどね)。今朝、 『中高年向け体臭予防商品=資生堂、9月から発売』 というニュースを読んだ時に思い出したのは、この小説。

資生堂 は、いわゆるオジサンの匂いのモトになる物質を発見したわけなんだけど、それをどのように発見したかは明確に説明されていない。化学分析によるアプローチだけで、こうした発見が可能なんだろうか? まさか、この小説に出てくる異能の主人公のような調香師による、おどろおどろしい研究の成果なんてことは…ないよね (笑)。ま、僕の妄想の類だ。

ともあれ、こういう匂いのモトを発見したのがフランスやアメリカの企業でなく、日本の化粧品会社だったというこは、妙におもしろかったりする。

新着記事